2013年11月17日日曜日

白いクリーム=生クリームというわけではありません

食品偽装の話題が世間をにぎわせていますね・・・。
そしてついに、「生クリーム」の問題も浮上しました。
お客様から幾度となく質問されたこの問題。
せっかくの機会なので、ざっと説明したいと思います。

〇生クリーム(フレッシュクリーム)
・原料は生乳、牛乳から分離した乳脂肪分のみ
・乳脂肪分が18%以上
・添加物、乳化剤などは一切入っていない
・豊かなコクと風味がある
・日持ちはしない
・作業性、安定性は低く、扱いが難しい

〇植物性脂肪クリーム
・原料は菜種油、パーム油、ヤシ油等の植物油
・牛乳ではなく、香料の風味
・値段が生クリームの半分以下と安価
・日持ちがする
・作業性、安定性が高く、大量生産向き

〇コンパウンドクリーム
・上記の二種類のクリームを合わせたもの

本来は、一番上の「生クリーム」以外は、法律により
「生クリーム」と表示することはできません。
大手のチェーン店などで「ホイップクリーム」「生デコ」
という表示を見たことがありませんか。
これは、この法律に違反しないために
「生クリーム」と表示せずに言い換えているわけです。

一方、植物性やコンパウンドを使っていながら、
「生クリーム」と堂々と表示する店も多くあります。
故意なのか知識不足なのかは不明ですが。

個包装されて売っているような商品の場合、
植物性やコンパウンドを使用していれば
裏面の原材料名に「植物性油脂」や
「乳又は乳製品を主要原料とする食品」などの
表示があるはずです。
表に「純生クリーム使用」などと書かれていても、
是非裏面も確認してみてください。

生クリームは本当に扱いが難しく、使用時も
販売時も 、常に冷やしている必要があります。
常温に置いていあるものは、まずありえない。
また、工場での大量生産にも全く向きません。

植物性を否定したいわけではありません。
それぞれメリットデメリットがあり、何を使おうが
それは使う側の勝手です。
植物性を使うなら、堂々と公言すればよい。
ただそれだけです。

たまに「生クリームが食べられない」という方が
いらっしゃることがあります。お話を伺ってから
当店の生クリームを味見していただくと
殆どの方が「美味しい」とおっしゃいます。
その方が苦手なのは「植物性」であって
「生クリーム」ではないのです。
オープン以来、いやというほど経験しました。

生クリームの場合は、口に含めば「ふわっ」と
溶けていきます。味は濃厚なミルクの味。
植物性の場合は、生クリームとは違い、
すっとは溶けず、口の中に残ります。
乳脂肪分と植物油の溶ける温度が違うため、
このように口溶けの印象が異なるのです。
食べ慣れれば、味も全く違うとわかります。

重ねて書きますが、植物性が悪いとは言いません。
例えば、牛乳にアレルギーがある子にとって
生クリームは毒に等しいものです。
でも、植物性のクリームなら食べられます。
例えば、冷蔵の設備が整っていないところでは
生クリームはだめでも植物性なら使えます。
何を使うかは、使う側の目的により選べばよい。
エデューでは何よりも味を重視するために
植物性は一切使わず、生クリームを使っている。
それだけなのです。

皆さん、ぜひ賢い消費者になってください。
ご自分が口に入れているもの、ご家族が食べるものに
もっともっと興味をもってください。
安いもの、日持ちのするものには、必ず理由があります。
臆せずに生産者に質問をしてください。
安易に利便性、廉価ばかりを求め続けていれば、
そのツケをいつか必ず消費者が払うことになります。

高いから良いとも、安いから悪いとも限りません。
有名店だから悪いとも、個人店だから良いとも限りません。
ネームバリューや値段に惑わされることなく、
きちんと情報を吟味し、ご自分の目と舌とでご判断ください。
安心で安全なものを、適正な価格でご購入ください。
それが真っ当に働いている生産者、販売者を守り、
ひいては、消費者を守ることにもつながるのです。